■14

 アリア達冒険者と依頼人ダレイドは、洞窟のフロストに別れを告げ、一路オルウェンの村へと向かった。
 「もがもがもが」
 (畜生、目が覚めたらふんじばられてた)
 「もがががが」
 (やい、お前ら卑怯だぞ! 縄を解きやがれ!)
 「むー、むー」
 (糞、ちっともほどけやしねえ! てーか、まともに声が出ねえ!)
 チンピラ達を縄で縛り、魔法で沈黙させた上で、冒険者達は武器で脅し、歩かせ、一行はオルウェンへと下山していった。
 連れ帰ったチンピラ達は村の懲罰房に押し込めた。
 チンピラ達は、ここで幾晩か過ごした後、街の治安隊の留置所へ護送される事になるのだろう。

 「私は妹を失わずにすんだ。また、本当に罰さねばならない相手も特定出来た。全てあなた方のおかげです」とダレイド。彼は報酬として、ライトに700spを差し出した。
 「私の感謝の気持ちです。受け取って下さい」
 「それでは、遠慮なく」受け取るライト。
 「妹さん、元気になると良いですね」とアリア。
 「ええ! きっと元気になりますとも!」



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