■13

 アリアとジン、二人が手紙から読み取った事で盛り上がっていた中、ダレイドが目を覚ました。
 「ここは・・・俺は一体!?」
 そして彼は、ちょうどその時彼の目の前にいたフロスト・ジャイアントを見て仰天し、恐怖した。
 アリアとジンは、ダレイドが目を覚ました事に気付いた。
 そして、彼に、この手紙について教えようと口を開いた。
 だがしかし、ダレイドにはフロストの姿しか目に入っていなかった。
 あろう事か、彼は、腰に差していた鉈に手を伸ばし、フロストに斬り掛かって行った!
 憎悪の一撃が、フロストに迫る!

 「ダレイド殿っ!」
 一閃。
 ジンの打刀が、ダレイドの鉈の柄を切り裂いた。
 唯一の武器がなくなった事に衝撃を受けるダレイド。
 だがしかし、それにより周囲を見回す余裕ができた様だ。アリアやジンに気付く。

 「ダレイドさん。お話があります」と切り出すアリア。
 「話? 目の前にフロストがいるっていうのに、何の話だ? それにこの仕打ちは何だ! ああっ糞っ! 依頼人として、君ら冒険者に命ずる。こいつをぶちのめせ!」
 「その願い、向ける相手が違うのでござるよ」
 「何だと!?」
 アリアとジンは、明らかになった事情をダレイドに説明した。
 「そんな! そんな事って・・・」

 ちなみに、今頃になってライトとオードは目が覚めた。
 「ここは?」
 「あー、天国ってのはお花畑じゃなくって洞窟っぽい所なんでやんすねー」
 「おい、オード! どうやら私達は生きているらしいぞ」
 「え、ホントでやんすか? もう寿命が三年は縮まったでやんすよ」




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