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![]() ■8 「あいや、待たれい、ダレイド殿。この依頼、あくまでレドシラを確保するのが目的の筈。障害となるならば排除しなければならないが、あくまでレドシラの確保、運搬が第一でござろう」 「そうだ、ジンの言う通りです。ここはひとつ、静かにこの場を離れ、下山するのです。無用な戦闘は避けた方が無難です」と同意するライト。 「し、しかしっ・・・この機会を逃せば」なおも渋るダレイド。 「レベッカ殿のご病気を、治すのでござろう?」 「反撃を食らって帰れなくなる可能性だってあります」 「ですが!」 「何よりもまず、薬草を届ける事が先ですよ。人一人の命がかかっているんですから」 「・・・いえ、そうですね。どうも私は頭に血が上っていた様だ。すいません。このまま、下山しましょう」 どうやらダレイドも落ち着いてくれた様だ。 一行は背後をオードに見張らせつつ、下山していった。 ざっくざっく。 「(一時はどうなるかと思ったわよ。ジン、ありがとう)」 「(いや、大した事ではござらぬ。それより、このまま見逃してくれるかどうか・・・)」 「(え、どういう事!?)」 「(奴は、あのフロストは、とっくにこちらに気付いているのでござるよ)」 「ええっ!」 「どうした、アリア?」とライト。 「どうかされましたか?」と依頼人ダレイド。 「いえ、何でもありませんっ」 思わず大声を出してしまったアリア。背後のオードを見つめる。 「・・・・・・っ」 果たして無事にオルウェンの村に帰れるのだろうか? ![]() |