■5

 と、村を出ようとする冒険者達の前に、立ちふさがる者達がいた。
 「おうおうおう、ちょっと待ってもらおうか」チンピラその一。
 「お前ら、悪い事は言わねえから、俺達に任せてもらおう」チンピラその二。
 「よそ者を信用するってのかい、ダレイドさんよう!」チンピラその三。
 「イルドー! リース! クー! お前達だってよそ者だろう。それにお前達ではあのフロストは倒せん!」
 とダレイド。

 「何を! 俺達の実力、見せてやろうか」とイルドー。
 「そんじょそこらの冒険者より、俺達の方が強いって事を見せてやる」とリース。
 「生意気だ。やっちまえ!」とクー。
 イルドーはダガーを、リースはロングソードを繰り出そうと身構えた。
 クーは魔法の心得が有るのか、呪文詠唱を開始しようとした。

 対してアリア。すかさず呪文詠唱。
 「イア! ララライライテイライテイラヴォア!」
 雷撃の呪文!

 「「「ぎゃー」」」
 三人のチンピラはまともに攻撃を食らってしまった。
 「相手の実力も見抜けずに喧嘩を売って来るとは。たいした事ない輩だとは思ったでござるが」とジン。
 「あっという間だったなー」とライト。
 「冒険者を甘く見ないでよね。・・・一応、威力は心持ち抑え目にしといたわ。たぶん、2、3日まともに歩けないけど」
 戦闘はあっけなく終了した。あとには黒こげになった三人のチンピラが残された。
 まだ彼らの体中からは白い煙がたっていた。
 「痛たたたた、くっそう、あいつら、覚えてやがれー!」



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